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NIST HCCコンセプトペーパーが示す「人間中心のサイバーセキュリティ」へのパラダイムシフト

作成者: TOKYO, JP|Oct 6, 2026, 1:00:00 AM

 

〜「技術中心」から「人間中心」へ、従業員をリスクから最大の防御資産へ変革する新たな時代〜

米国国立標準技術研究所(NIST)が公表した「Human-Centered Cybersecurity(HCC:人間中心のサイバーセキュリティ)」に関するコンセプトペーパーにより、世界のサイバーセキュリティ戦略は大きな転換点を迎えようとしています。従来の「技術中心」のアプローチから「人」を主軸に置くアプローチへの移行を提言する本ペーパーは、これまでのセキュリティ概念を根本から覆すパラダイムシフトをもたらすものです。

本ニュースレターでは、AIエージェントと人間の双方をセキュアに保つ「デジタルワークフォースセキュリティ」のグローバルリーダーであるKnowBe4が、 NIST HCCコンセプトペーパーが提示する変革のポイントと、今後の組織セキュリティに与える影響について解説します。

1. サイバーセキュリティの中心が「技術」から「人」へ移行

これまでサイバーセキュリティは、EDR、SASE、SIEM、AIによる検知など、「技術によっていかに防壁を堅牢にするか」が主軸でした。

しかし、技術のみをセキュリティ対策の中心に据える構造では、責任が専門部門に集中しがちになります。結果として「平時には感謝されず、問題発生時のみ批判される」という環境を生み出し、セキュリティ人材の疲弊や不足を招く要因となっていました。

組織のトップから現場まで、「人」と「組織」をセキュリティの中心に再配置するHCCの考え方は、専門家に集中していたセキュリティのリソースとプロセスを分散させ、組織全体の運用や体制に大きな構造改革をもたらします。

2. 人を「リスク」ではなく「貢献者・推進者」というポジティブな視点で再定義

従来の一般的なセキュリティ観において、人間は「最大の弱点(Weakest Link)」や「教育・監視して制限すべき対象」とみなされがちでした。

これに対しNISTのコンセプトペーパーでは、不備のあるシステム環境下においても現場の人間が臨機応変に対応し事故を防いでいる側面(Heroics)を正当に評価し、人を「最大の防御・安全資産(Strengths)」として再定義しています。

これまでのセキュリティ論の多くが"どう間違えさせないか"という減点方式の視点に留まっていた中、人間をポジティブな存在と捉え直すこの提案は、これまでの見方を180度変える画期的な転換点です。

従業員を脅威から守る主体のパートナー(貢献者・推進者)として位置づけ、その力を育んでいくことは、変化の激しい市場環境や、AIなどの未確立な新技術の導入においても、組織全体の適応力やレジリエンス(回復力)を高めることに直結します。

3. 求められる新たな領域:多面的な「ソフトスキル」の統合

ペーパー内において、HCCは単なる注意喚起やトレーニングの枠組みを超え、以下の要素を含む多面的なものであると説明されています。

  • セキュリティ文化(組織カルチャー)
  • 人間とシステムの相互作用(UI/UX・人間工学)
  • 社内コミュニケーション
  • 人間の認知・行動・知覚特性
  • 人間の心理的脆弱性と強み

これまでセキュリティ担当者に求められていたのは純粋な技術的スキル(ハードスキル)でしたが、今後は組織開発、心理学、行動科学、コミュニケーションデザインといった「ソフトスキル」がセキュリティ戦略の核となります。NISTからは今後、こうした領域を補完する新たなガイドラインやベストプラクティスが順次提供されると期待されています。

4. 新たな挑戦:孤独な戦いからの解放と真に強靭な組織の構築

技術以外の領域へのアプローチは、セキュリティ担当者や専門家に一見新たな負担を感じさせるかもしれません。しかし、HCCの本質は「社内にセキュリティの協力者を増やすアプローチ」であり、担当者を孤立した状況から解放するものです。

AIとの協働が不可避となる現代において、人間心理とテクノロジーの両面からアプローチを行うことで、変化に強く真に強靭な組織を構築することが可能となります。

NISTが提案する『人を中心に据えたセキュリティ』の考え方に深く共感いたします。HCCコンセプトペーパーの随所に登場する『セキュリティ文化(カルチャー)』という言葉は、人を中心としたセキュリティを支える土台そのものです。

経営者から現場まで、セキュリティを尊重する考え方と行動が根付いた組織文化は簡単には揺らぎません。そのような組織こそが、多様な変化から学習し成長する真の強靭さを獲得できます。NISTが指摘するように、AIの導入が進んでも、人が関与し続けることの重要性は変わりません。だからこそKnowBe4は、人間とAIエージェントの双方を守っているのです。 KnowBe4はこれまでも、そしてこれからも、企業が誇れるセキュリティ文化の形成・醸成を、人の支援を通じて強力にバックアップしてまいります。

<KnowBe4について>

KnowBe4 は、従業員が日々、より賢明なセキュリティ判断を下せるよう支援します。世界中で70,000 以上のお客様に支持され、AIエージェントと人間の双方をセキュアに保つ「デジタルワークフォースセキュリティ」のパイオニアです。KnowBe4のプラットフォームは、AIDA(Artificial Intelligence Defense Agents)と独自のリスクスコアを活用した攻撃シミュレーションとセキュリティを提供します。このプラットフォームは、15年分の行動データを活用し、ソーシャルエンジニアリング、プロンプトインジェクション、シャドーAIなどの高度な脅威に対抗します。人間とAIエージェントを保護することで、KnowBe4はワークフォースの信頼性と防御において業界をリードします。詳細はこちら(https://www.knowbe4.com/ja/)をご確認ください。

原典:KnowBe4 Japan著